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リュックの人 [世相・センス]

昨日帰宅の電車の中で
僕の隣に立った男性は、
僕に大きな衝撃をくださった。


70歳近いだろうか、
白髪交じりの髪は量が多く、
登山用のようなリュックサックと、
そのサイドポケットにスポーツドリンク、
Gパンに厚手の茶色のジャンパー。


その御仁は当然リュックから
何かのテキストとシャープペンを取り出し
黙々と懸命にページを捲っては
何かを書き込み始めたのだ。
必死の形相だ。


さり気なくもよく見ると
巻末の答えをみながら
該当ページに答えの要点を
書き込んでいる模様。


何かの過去問を解いているのか。
近日中に何か資格試験を受験するのか?
にも関わらず、今日は登山に時間を費やし
この段階で焦りだしたのか?


僕の勝手な妄想は膨らむ。


もしかしたらそうではなく、
彼は大学の教授で、
参考書の監修を担っており、
出版社への締め切りが今日中とか!!


去年あたりから
リスキリングという
学び直しの意味の言葉が
飛び交っている。
何歳からでも学びは始められるという
元気の出る言葉だ。


思えば、YouTubeなどの動画でも
様々な学びのコンテンツがあり、
いつでもどこでもお金をさほどかけずに
学びを始められる時代になった。
誰でも簡単に学べるという意味では、
学ばない人は取り残されるのでは?
という危機意識さえ芽生えそう。


でも僕は思う。
たまさか僕の隣に立った
リュックの御仁のように
没頭出来る内容でない限り、
単に学習に時間を費やすのは
徒労に帰すと。


夢中になれる何か。
学びたくて仕方ないという何か。
学んだ先に喜びが待っている何か。


ただ、ひとつ言えることは、
リュックの御仁は、
日常に追われたふりをする僕に、
何か大きな刺激を授けてくださった、
ということだ。


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