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セント・エルモスの灯り [CINEMA]

♪「見つめてた スクリーン
雨の日の映画館。
何度も頷いて観た
「セント・エルモス・ファイアー」。

…禁煙の客席に淀んだ煙草のせい
流れた涙の訳は
「セント・エルモス・ファイアー」。
散り散りの仲間でも
元気でいてくれれば。
冷えた缶のビールを
そっと瞼に押し当てた。
バラバラさ、人生は
いくら寄り添ってみても
震える心までは抱きしめられはしない。
♪アリス「セント・エルモスの火」

2009年のアリス復活アルバム
「アリスX」のラストナンバーが、
谷村新司さん作詞作曲の
「セント・エルモスの火」。
僕の大好きな曲で、
何度も聴き返している。

この詩は、1985年のアメリカ映画
「セント・エルモス・ファイアー」を
モチーフにしている。

その名作は、大学の同級生だった、
22歳の7人の群像、
それぞれの青春模様を描いたもの。

1980年代の人気俳優、
エミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、
アンドリュー・マッカーシー、
デミ・ムーア、アリー・シーティなど、
オールスター勢揃い。

政治家や弁護士、ミュージシャンを
目指す者、同棲するカップル、
片思い、恋に飛び込めない男女も。
若さゆえの熱量と自由さの裏腹に
無鉄砲さと無謀さ、見境のなさもある。

ミュージシャンを目指すビリー
(ロブ・ロウ)は、1児の父だが、
手当たり次第に女性を口説く浮気者。
お調子者で仕事も全て中途半端、
クビになり続けている。

ジュールズ(デミ・ムーア)は
現代っ子で先端のファッション、
自由気ままに生き、破天荒さがある。
いつも天真爛漫な笑顔の彼女だが、
実は父親との深い確執、
心の深部に大きな傷がある。

失意のどん底にいるジュールズに
ビリーは言う。
漁師は暗闇の海で、
微かな道標となる
灯りを夜空に見つけ、
それを頼りに進む。
そのセント・エルモスの火は、
実際には存在していない、
心の中にもとる灯り。
そうやって不安だらけの道を
歩いていくものだと。

この7人は仲間。
セント・エルモスBARという店に集い、
飲んで騒いで話し合う友達。
でも、それぞれの人生がある。
それぞれの道を
自分で決めねばならない。

♪「バラバラさ。人生は。
いくら寄り添ってみても
震える心までは抱きしめられはしない。
だから、一人で、だから一人で
生きるしか出来なくて。
不器用だけれど、それしか出来なくて」♪
アリス「セント・エルモスの火」

不器用でも生きていける。
心が震えても、自分を抱きしめて
何とか生きていく。

劇中の彼らの世代より、
30年以上の歳を重ねた僕なんぞ
大して20代の頃と変わらない気がする。
多少の分別と諦観、穏やかさを
身につけたくらいです。
でも、人生はなんとかなる。
心震えても、ときに誰かと語らいながら
心の中のともし火を見つめ
これまで生き、生かされてきた自負で
我が身を抱きしめていく。

その火とは、言の葉だ。
自分だけに携える宝。
そして大切な人の笑顔。


♪「不器用だけれど、
それしか出来なくて」♪

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