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極寒の地、シネマ2作から(2) [CINEMA]

もう一作「ロシアハウス」。
英米とロシアの国防に関わる
諜報(スパイ)映画であり
恋愛ものでもあります。

英国諜報部の命を受けたスパイ、
バーリー(ショーン・コネリー)と、
そのターゲットとなるロシア人女性、
カーチャ(ミシェル・ファイファー)の
燃え上がる愛。
愛する人のために国を裏切るバーリー。
それを知り情愛を深めるカーチャ。

この映画はストーリーが入り組んでいて
理解に苦しむという声もありますが、
僕はジューリー・ゴールドスミスの
甘美で哀愁ある名曲と、
ショーン・コネリーとM・ファイファーの
ツーショットを観ているだけで大満足。

特に、ラストシーン。
リスボンでひとり暮らすバーリーが、
花束を抱え、港に到着した旅客船へと
意気軒昂と歩いてきます。
船上にはカーチャとその子どもたち、
彼女の叔父が降船の支度をしており、
バーリーに気付きます。

バーリーとカーチャの目が合います。
走り出すふたり。
カメラはスローモーションで
到着した女性と迎える男性を
交互に追いかけます。

そして再会の瞬間、
熱くぎゅっと抱擁するふたり。

もう絶対に、離れまいと。

ジューリー・ゴールドスミスの
美しくロマンチックなメロディが
ふたりを包み込みます。

このシーンを観ているだけで
もう全てが解決なのです。

このふたりはこれから
どんな試練が待ち受けていようと
どんな屈辱に晒されようと
ふたりで生きていく決意をしたのだと
この抱擁で僕は感じるのです。
互いに「この人がいれば生きていける」と。

愛や友情、スポーツや文化は
国境を超え、共感や共鳴は世界共通です。

そして、失意の淵、絶望のどん底にいても、
深く強い絆で抱きしめ合える人がきっと現れます。
そこからまた始まる次の人生。

極寒の国でも、世界中どこでも
人は巡り、ときは巡ります。


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