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ほろ酔いの先にあるもの [Collection]

何年も愛し続けてきた銘柄、 
齋彌酒造の「雪の茅舎」、山廃純米を 
上燗で頂く。
この季節はひと肌燗ではない。 

これも何年も使い続けてきた、 
燗酒用の保温酒器で徳利ごと温める。 
燗酒はありがたい。 

職人さんたちが造り上げた日本酒の、 
芳しいかおりが開く。 
まるで雪の中でうずくまり、 凍っていた花びらが 
温めることで氷解し、大きく開き、広がるよう。 
そして体温に近い分、長く飲んでいられる。

ほろ酔いの中で、僕は遠くをみつめる。 
明日を思い、明後日を考え、来週を心で描く。 
でも違う。 
今は、そんなことのために 
僕に与えられた時間ではない。 
目の前の、このかおりと味と温かさ、 
お酒一点とだけ向き合う。 
その先、その向こうによぎる、 
遠く離れた人、かけがえのない人。 
あとは、こうして美味いお酒を 
堪能できていることへの、 
深謝だけあれば良い。 

山廃のコクも開く。 
じんわり心身に広がっていく。 
来週は生酛を手に入れようか。 
それとも、小野酒造「夜明け前」の 
純米吟醸にするか。 
だから、明日からも頑張るか。いっちょ。 
20210117_125831.jpg
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