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小さな腕時計 [Collection]

ほんの衝動買い、でも全く悔いはない。 
千円でお釣りがくる安さ。 
でも惹かれたのは価格ではない。 
質素な文字盤は一切の無駄がなく、 
形態は小さく、どこかスタイリッシュ。  
実質に適っているのだ。 

腕時計。CASIOのスタンダード。 
昨日、通販で買った一品。 
かつて同世代の御仁と飲んだとき、 
彼が身につけていた時計である。 

彼は言った
「僕などは凡そ900円のこの時計で十分」。 
ごっつい男の腕にはあまりにも小さく、 
頼りなくちゃちに僕には見えた。 

でもどこか機能的で、CASIOへの信頼もあり、 
無駄がない形態が心に残った。 
この大型連休に通販サイトで
たまさか出会ってしまった。 
心の中で、もう買うしかない、の号令。 

年を重ねるごとに、 シンプルなものを好む。
余計な機能は要らない。 
外見が格好良い必要はない。 
要は飾りも気取りも要らない。 
思えばスーツもネクタイも、 
年々質素なものを選んでいる。 

感情の整理が上手くなるのに似て、 
余計な荷物を持たなくなる。 
一方で、自分にとって本当に必要なもの、 
この色な好き、この味が好き、
このかおりが好きだと、理屈抜きで
心地良いものが明らかになってくる

限られた命と時間の中で、 
本質を捉えた生き方をしたくなっている。 
これまでのGショックを外し
単機能のこの新たな時計をした瞬間、
どこか心が軽やかで楽になった。

特に時計という商品は、持ち主のセンスや
ファッション性を醸すだけでなく、 
人生を刻む尊さがある。 

僕にこの時計を教えてくれた御仁は、 
かつて僕にマルクス・アウレリウスの名著 
「自省録」の文庫をくださった方である。 
やはり彼は、気取らずに楽に生きていける術を 
僕に再度授けてくれたのだ。 

大型連休の衝動買い、全く悔いなし。
「新調のウオッチが刻む緑の旗日」弥七 

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