SSブログ

風鈴の音、掠む色 [Collection]

「灼熱に 揺れる風鈴 ちりりんと
水色掠め 風に溶けゆく」 弥七

黒い小型の鞄
ナイロン製のブリーフ。
今週、通勤時の鞄を変えた。
GINZA HANZで
吉田かばんのPORTERを選んだ。
とにかく、小型の鞄が必要だと思った。

容量のある大きめの鞄だと
気が付くといつの間にか
物を入れ過ぎている。
鞄の中が複雑になっている・・・。
そして、鞄も痛む。



髪の毛をばっさり切って短髪に。
無理して長袖を着ずに、
半袖のワイシャツに。
人と合わない時間は
ノー・ネクタイに。

手帳のカバーを変えてみる。
机の引き出しを整理する。
水色のラインマーカーを使う。
パスケースはライトブルー。
文庫本のしおりに着いている
紐はパステルシアンブルー。
ライトカラーのハンカチを使う。

珈琲のお供は
レモン味か塩バニラのお菓子、
あるいは定番のヨーグルト・レーズン。

お酒は冷酒か蕎麦焼酎。
あては刺身蒟蒻や山葵豆腐。
新生姜なんかもいい。

夏はそんなふうがいい。

小型の軽い鞄を使って5日経つ。
なんとなく生活も動きも
軽快になってきた気がしている。
Simple is best.
持ち物も身に着けるものも
軽やかでシンプルにすれば
自ずとさわやかな気が放たれる。

この浮世、当世は
明快に出来ないことが沢山ある。
重ねて、猛暑が到来の頃。
せめて、身嗜みや出立ちは
こざっぱりとしていたい。

物事の考え方もシンプルがいい。
単純ということではなく、
きちんと優先順位を決め、
理路整然と処理しいく。
勿論、慌てず丁寧に
ひとつまみの柔らかさを
そっとまぶして整える。

時を得た風鈴が
夏風に揺れる。
ちりりん、ちりりんと
ゆるやかにささやいている。
その残響が
心を静めてくれる。

ひとつの鞄を買って
僕はこの夏を受け入れた…。

やがて風鈴の音は
水色を掠め、
夏風に溶けていった。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

瞳の奥夏夜の流星 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。